おいしいお茶の入れ方




■■■旨みと緑の香りを楽しむ入れ方で■■■
~玉露・煎茶・釜炒り茶・中国緑茶~
お茶の旨みを引きだすには、湯に溶け出すお茶の三大成分のバランスがポイントです。

1.まず十分に沸騰させたお湯を急須に注ぎます。(湯温は約10度下がります)
2.次にお湯を急須から人数分の茶碗に注ぎます。(また約10度下がります)※この手順には、茶器を温める・お湯の量を量る・湯温を下げるという3つの意味があります。


3.茶葉の量は茶種によって異なりますが、一人分ティースプーン一杯(2~3g)が目安です。但し一人で楽しむ場合は少し多めの茶葉が必要です。
4.急須に人数分の茶葉を入れ、湯冷まししたお湯を茶碗から急須に注ぎお茶が浸出するのを待ちます。※茶葉の性質により最適な浸出時間には差があります。


5.茶碗に均等の濃さと湯量になるようつぎわけ、最後の一滴まで完全に注ぎきります。 ※注ぎ切りが十分でないと、一煎目に旨味が不足し二煎目に渋みが増します。


6.二煎目を入れる場合は、こんな湯冷まし用の器があると便利です。まず湯冷まし用の器に適量のお湯を注ぎ、一煎目よりやや熱めの状態で急須に注ぎます。
7.一煎目で茶葉が開いているため、少しだけ間をおいてから一煎目と同じように茶碗に注ぎ切ります。




■■■華やかな香りを楽しむ入れ方で■■■
~焙じ茶・玄米茶・紅茶・烏龍茶~
高い香りを引きだすには、沸き立ての熱湯から立ちのぼる熱い蒸気がポイントです。

1.使用する茶器(急須と茶碗)はあらかじめ温めておきます。
2.お湯は沸き立ての熱湯を使用し、茶葉の量は一人分ティースプーン一杯(2~3g)が目安ですが、茶葉のかさにより調節が必要です。
3.急須に人数分の茶葉を入れ、人数分の熱湯を注ぎます。浸出時間は茶葉の種類・形状・揉みの堅さにより異なります。
4.浸出時間が経過したら、茶碗に均等の濃さと分量になるようつぎわけ、最後の一滴まで完全に注ぎ切ります。
5.焙じ茶や紅茶は一煎目でおいしさがほとんど出てしまいますが、中国茶は二煎目以降も浸出時間はやや長めにしてお楽しみいただけます。



■■■手早くしかもおいしく【夏バージョン】■■■
~普通煎茶・深むし煎茶・釜炒り茶~
熱いお湯で入れ、氷に注いで作る氷冷茶は、爽やかな香味と清涼感が楽しめます。

1.通常の入れ方よりも、やや低めの湯(60℃)、多めの茶葉(3g)で浸出時間も長くかけます。
2.浸出時間が経過したら、別の茶器に完全に注ぎきり、やや濃いめのお茶を作ります。
3.氷で満たした茶碗・グラスに2のお茶を均等になるよう注ぎ、軽くステアします。



■■■時間をかけてよりおいしく【夏バージョン】■■■
~玉露・普通煎茶(上)・深むし煎茶~
冷水からじっくり時間をかけて抽出した水出し茶は、上品な旨みとコクが楽しめます。

1.急須に茶葉を人数分(一人分ティースプーン山盛一杯 3g)入れ、氷少々と冷水を適量  加え冷蔵庫で30分程度冷やします。
2.冷蔵庫から取り出し、急須のふたを取りスプーンなどで軽くステアします。
3.あらかじめ冷やしておいた茶碗に均等の濃さと分量になるようつぎわけ、完全に注ぎきります。



■■■標準的なお茶入れレシピ(3人分)■■■



日本茶の場合、茶葉の蒸し具合によって茶葉のお湯に対しての浸出度がかわってきます。普通煎茶の場合約30秒蒸すのに対して、深むし煎茶ではその2倍程度の蒸し時間を要します。蒸し時間が長いほど、茶葉は柔らかくなり、お湯に浸出しやすくなります。 また普通煎茶の中でも、製造工程によりお湯に浸出しやすいものとしにくいものがありますので、お好みに合わせて加減して調節していただくとよいでしょう。 急須でお茶を入れることの楽しみとして、同じ茶葉を使って入れてもお湯の温度や浸出時間によって、また入れる人によっても少しずつ違ったお茶ができあがり、その妙味を味わえるということがあります。 是非ご自分なりに気に入った入れ方、レシピを研究されるのもまたお茶の楽しみのひとつでは……。